原爆犠牲者慰霊・世界平和祈念市民大行進 集会
今年は、約700名が参加し実施されました。
2022年10月29日
大行進のあと爆心地公園において集会が行われました。
市民大行進宣言
77年前の1945年8月9日午前11時2分、愛するふるさと長崎市は、一つの原子爆弾によって死の大地となりました。木々は燃え尽き家は壊され、町は灰に埋まりました。それに加え、熱線や爆風により、たくさんの人々が犠牲になりました。かろうじて生き残った被爆者も、放射線などによる後遺症で、現在も苦しんでいる方がいらっしゃいます。
世界に目をやれば、戦争やテロ、差別的行為などの様々な事件が起きています。。例えば、今年の2月に起こったロシアによるウクライナへの軍事侵攻です。核保有国で国連の常任理事国でもあるロシアは、核兵器の使用も辞さないと威嚇したり、占領した地域の人々を拷問したっ証拠が見つかったりするなど、世界を恐怖に陥れています。この軍事侵攻によって、ロシア、ウクライナ両国でたくさんの命が奪われ、今も多くの人が爆撃の恐怖におびえながら生活を送っています。
また、日本でも、殺人事件や育児放棄、いじめなど、悲惨なニュースを聞かない日はありません。世界はもはや平和とは言えません。このような状況の中、今を生きる私たちは、これから世界を平和にするために、どのようなことができるのでしょうか。 岩屋中学校では、平和学習において、1年生が被爆遺構をめぐり、そのときに感じた平和への思いを絵手紙で表現し、2年生は、日本の戦争の真実について調べ平和新聞を作成しました。3年生は、沖縄のアメリカ軍基地や日本の難民受け入れの是非についてディベートを行い、互いの考えを伝えあうことで自分の考えをより深めました。
また、被爆体験講話では、被爆2世の方からご家族の体験談を聞きました。兄弟や家族が次々と亡くなり、ご本人も被爆の後遺症に苦しみながらも、力強く生きてこられた姿はとても印象に残りました。「戦争は絶対にしてはいけない」「長崎を最後の被爆地に」という被爆者の強い思いや平和の尊さを私たちに教えてくださいました。
そして、このような学習を通して、被爆者の方々の高齢化が進み、戦争の体験を語ることができる方が少なくなる中、私たちの世代がその体験を継承するためには、戦争の真実を学び、被爆者の方々の痛みや悲しみに心を寄せ、想像力を働かせて、次の世代に伝えていくことが必要であると感じています。被爆者の方々が体験されたことは、平成生まれの私たちには、到底考えが及ばないようなつらいものだったと思いますが、そのようなことを二度と繰り返さないためにも、しっかりと知識を蓄え、先人の思いを心に刻み、自分の言葉で伝えていく力を身につけていきたいと思います。今後は、私たち若者世代が平和について深く考え、被爆地に住む者として世界に発信していくことが責務でもあるのです。
私たちにできることは限られていますが、私たちは、将来、二度と悲しいことが起こらないように精一杯努力していきます。人類の英知は、人を悲しませるのではなく、互いに幸せになるためにあると信じるからです。そのために、私たちは、過去の歴史に学び、威嚇や暴力ではなく対話によって高めあえる社会、お互いの違いを認め合い尊重しあう民主的な社会を築くことを目指します。
私たちは、平和都市「長崎」の市民として、平和な未来を築くために、自らができることを考え、努力していくことを、ここに宣言します。
令和4年(2022年)10月29日 長崎市立岩屋中学校生徒一同